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楠山 正雄

瓜子姫子

読み手:福井 一恵(2012年)

瓜子姫子

著者:楠山 正雄 読み手:福井 一恵 時間:10分31秒

   一

 むかし、むかし、おじいさんとおばあさんがありました。ある日おじいさんは山へしば刈りに行きました。おばあさんは川へ 洗濯に行きました。おばあさんが川でぼちゃぼちゃ洗濯をしていますと、向こうから大きな瓜が一つ、ぽっかり、ぽっかり、流れて来ました。おばあさんはそれ を見て、
「おやおや、まあ。めずらしい大きな瓜だこと、さぞおいしいでしょう。うちへ持って帰って、おじいさんと二人で食べましょう。」
 といいいい、つえの先で瓜をかき寄せて、拾い上げて、うちへ持って帰りました。
 夕方になると、おじいさんはいつものとおり、しばをしょって山から帰って来ました・・・

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