閉じる

閉じる

小川 未明

赤い鳥

読み手:幡山 睦実(2023年)

赤い鳥

著者:小川 未明 読み手:幡山 睦実 時間:57秒

鳥屋の前に立ったらば
赤い鳥がないていた。
私は姉さんを思い出す。

電車や汽車の通ってる
町に住んでる姉さんが
ほんとに恋しい、なつかしい。
もう夕方か、日がかげる。
村の方からガタ馬車が
らっぱを吹いて駆けてくる。

鳥屋の前に立ったらば
赤い鳥がないていた。
都の方をながめると、
黒い煙が上がってる。

Copyright© 一般社団法人 青空朗読. All Rights Reserved.