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坂口 安吾

日本の盲点
―子供の本から―

読み手:成 文佳(2024年)

日本の盲点 ―子供の本から―

著者:坂口 安吾 読み手:成 文佳 時間:5分58秒

 枕もとに子供用の本をあつめてヒルネの前後によむ。暑さにたえかねて編みだした方法である。
 面白さについヒルネも忘れがちだったのはシートンの「動物記」(評論社)だけ。次にアンデルセンの童話がちょっと面白いナと思ったぐらいのもので日本の作者のものは教訓くさくてつまらなかった。
 アンデルセンの童話はシンから子供向きの本格的な童話だろうと考えて、この年になるまで読んだことがなかったのだが、なるほど子供向きには相違ないが日本式に考えるとザンコクな童話である。
 魔力の後援をうけたりしてメデタシメデタシになるのは善玉とは限らない。人殺しや泥棒がメデタシメデタシになることもある・・・

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