グリム兄弟 作 矢崎 源九郎 訳
読み手:西村 文江(2025年)
むかし むかし、おおかみが、きつねを、じぶんのうちにおいていました。
きつねは、動物のなかでも、たいへんよわい けものでした。ですから、おおかみのいうことは、なんでも、きかなければなりませんでした。きつねは、なんとかして、このしゅじんのところから にげだしたいと、おもっていました。
ある日のこと、きつねとおおかみは、ふたりで 森のなかをあるいていました。
そのとき、おおかみがいいだしました。
「おい、あかぎつね。なにか たべるものをもってこい。さもないと、おまえを ガリガリ たべちまうぞ。」
すると、きつねがこたえました。
「わたしは、子ひつじが二、三びきいる 百しょうやをしっています。もし、おのぞみでしたら、そいつを一ぴき、とったらどうでしょう。」
おおかみは気にいりました・・・
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