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新美 南吉

子どものすきな神さま

読み手:やまがらメリー(2015年)

子どものすきな神さま

著者:新美 南吉 読み手:やまがらメリー 時間:4分14秒

 子どものすきな小さい神さまがありました。いつもは森の中で、歌をうたったり笛をふいたりして、小鳥やけものと遊んでいましたが、ときどき人のすんでいる村へ出てきて、すきな子どもたちと遊ぶのでした。
 けれどこの神さまは、いちどもすがたをみせたことがないので、子どもたちにはちっともわかりませんでした。
 雪がどっさりふったつぎの朝、子どもたちはまっしろな野っぱらで遊んでいました。するとひとりの子どもが、
「雪の上に顔をうつそうよ。」
といいました・・・

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