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小川 未明

田舎のお母さん

読み手:梨本さん (2017年)

田舎のお母さん

著者:小川 未明 読み手:梨本さん 時間:7分36秒

 奉公をしているおみつのところへ、田舎の母親から小包がまいりました。あけてみると、着物がはいっていました。そして、母親からの手紙には、
「さぞ、おまえも大きくなったであろう。そのつもりでぬったが、からだによくあうかどうかわかりません。とどいたら、着てみてください。もしあわないようでしたら、夜分でもひまのときに、なおして着てください。」と、書いてありました。
 おみつは自分のへやにはいって、お母さんからおくってきた着物をきてみました。田舎にいるときには、お正月になってもこんな着物をきたことがなかったと思いました。自分だけでなく、村でもこんな美しい着物をきる娘は、なかったのであります・・・

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