中井 正一 作
読み手:吉江 美也子(2020年)
二つの足で立つようになるために、人間は二十万年もころんでは立ち、ころんでは立ちしたんだろう。そして、手が自由になったとき、どんな気持ちがしただろう。
ものをつかんで、土の上に立った人間のすがた。今はあたりまえのことだが、このあたりまえのことを、何十万年も努力した人間の勝利の記録であることを思ってみる人が、今地球上で何人いるだろう。
言葉だって同じことだ。
手が自由になり言葉を発見したから、数字もでき、物ごとの中に法則があることを見つけだし、人間の関係の中にも、法則らしいものがあることをさぐりだしたことは、実は大変なことなのだ・・・
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