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小川 未明

雪だるま

読み手:中田 真由美(2020年)

雪だるま

著者:小川 未明 読み手:中田 真由美 時間:8分12秒

 いいお天気でありました。もはや、野にも山にも、雪が一面に真っ白くつもってかがやいています。ちょうど、その日は学校が休みでありましたから、次郎は、家の外に出て、となりの勇吉といっしょになって、遊んでいました。
「大きな、雪だるまを一つつくろうね。」
 二人は、こういって、いっしょうけんめいに雪を一処にあつめて、雪だるまをつくりはじめました。
 そこは、人通りのない、家の前の圃の中でありました。梅の木も、かきの木も、すでに二、三尺も根もとのほうは雪にうずもれていました。そして、わらぐつをはきさえすれば、子供たちは圃の上を自由に、どこへでもゆくことができたのであります。
 頭の上の空は、青々として、ちょうどガラスをふいたようにさえていました・・・

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