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スチーブンスン  新美 南吉

僕の国

読み手:角田 佳代(2021年)

僕の国

著者:スチーブンスン/新美 南吉 訳 読み手:角田 佳代 時間:2分12秒

光つて泉の湧くそばに
僕の小さな窪がある。
 僕の丈ほどふかくない。
はりえにしだなど生えてゐる。
夏には夏の花が咲く。
 黄つぽい花や赤い花。

泉を僕は海と呼ぶ
あたりの丘を山と呼ぶ。
 そんなに僕は小いのだ。
僕はつくつた舩や町。
僕はさがした洞や穴。
 洞や穴には名をつけた。

あたりのものは僕のもの、
頭の上の雀でも、
 泉の中の小ばやでも。
ここでは僕は王様だ。
僕は蜂どもうたはせる。
 僕は燕をあそばせる・・・

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