中谷 宇吉郎 作
読み手:福井 慎二(2022年)
金沢の郷土の漬け物に、かぶらずしというものがある。大きいかぶらを、厚さ一センチくらいに切り、中に切れ目を入れて、その中に塩ブリをはさむ。それを重石を強くしてこうじでつけたもので、非常にうまい漬け物である。
北陸地方では、すしといえば、たいてい押しずしであって、江戸風の握りずしは、近年になって、はいってきたものである。普通は米の上にマスやサバあるいはイワシを乗せて押したものであるが、米のかわりに、かぶらを使ったものも、やはりすしといったらしい。
このかぶらずしは、このごろは、市販品になっているが、昔はみな自分の家で漬けたものである。魚を発酵させるので、漬け方と時期との微妙な差で、味がひどくちがう・・・
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