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エドガー・アラン・ポー 作 佐々木 直次郎 訳
読み手:楠見 知輝(2010年)
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私がこれから書こうとしているきわめて奇怪な、またきわめて素朴な物語については、自分はそれを信じてもらえるとも思わないし、そう願いもしない。自分の 感覚でさえが自分の経験したことを信じないような場合に、他人に信じてもらおうなどと期待するのは、ほんとに正気の沙汰とは言えないと思う。だが、私は正 気を失っている訳ではなく、――また決して夢みているのでもない・・・