原 民喜 作 うぐいす読み手:池戸 美香(2012年) |
梅の花が咲きはじめました。学校の門のところにある梅も、公園の池のほとりにある梅も、静かに花をひらきました。雄二の家の庭の白梅も咲きました。花に陽 があたると、白い花はパッとうれしそうにかがやきます。日蔭の枝にある花は静かに青空をながめています。梅の花はみんなじっと何かを待っているようでし た。
雄二の家の庭さきに、ある朝、うぐいすがやって来ました。ホーホケキョ ホーホケキョ うぐいすは梅の枝にとまって二声三声さえずりました。が、すぐにへいをとびこえて、どこかへとんで行ってしまいました。
その翌朝もまたうぐいすがやって来ました。こんどは、雄二の家の庭が気に入ったのか、少しゆっくりしているようでした・・・