楠山 正雄 作 瓜子姫子読み手:福井 一恵(2012年) |
一
むかし、むかし、おじいさんとおばあさんがありました。ある日おじいさんは山へしば刈りに行きました。おばあさんは川へ 洗濯に行きました。おばあさんが川でぼちゃぼちゃ洗濯をしていますと、向こうから大きな瓜が一つ、ぽっかり、ぽっかり、流れて来ました。おばあさんはそれ を見て、
「おやおや、まあ。めずらしい大きな瓜だこと、さぞおいしいでしょう。うちへ持って帰って、おじいさんと二人で食べましょう。」
といいいい、つえの先で瓜をかき寄せて、拾い上げて、うちへ持って帰りました。
夕方になると、おじいさんはいつものとおり、しばをしょって山から帰って来ました・・・