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土田 耕平 作
読み手:池戸 美香(2013年)
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お秋さんは、山へ柴刈に行つたかへりに、雪に降りこめられました。こん/\と止めどなく降つてくる雪は、膝を埋め、腰を埋め、胸を埋める深さにまで積つてきました。お秋さんは、大きな柴の束を背負つたまゝ、立ちすくんでしまひました。 「もう助かりやうはない。」 と思つて、目をつぶつて静かにしてゐますと、だん/\気が遠くなりました・・・