小川 未明 作 ある夜の星たちの話読み手:小島 香奈子(2014年) |
それは、寒い、寒い冬の夜のことでありました。空は、青々として、研がれた鏡のように澄んでいました。一片の雲すらなく、風も、寒さのために傷んで、すすり泣きするような細い声をたてて吹いている、秋のことでありました。
はるか、遠い、遠い、星の世界から、下の方の地球を見ますと、真っ白に霜に包まれていました。
いつも、ぐるぐるとまわっている水車場の車は止まっていました。また、いつもさらさらといって流れている小川の水も、止まって動きませんでした・・・