野口 雨情 作 子供に化けた狐読み手:室 由美子(2014年) |
子供に化けて、大人をだます悪い狐がをりました。
三五郎と云ふ百姓が、馬を曳いて帰つて来ますと、道の端に七八つ位の一人の子供が泣いてゐました。
三五郎は、狐が化けてゐるのだと気づきましたから、わざと知らない振りをして通りすぎようとしました。子供は三五郎の方を見い見い余計に泣きました。
どこまでも知らない振りをして三五郎が通つて来ますと、子供は大声をあげて泣き泣き馬の後をついて来ました・・・