新美 南吉 作 子どものすきな神さま読み手:やまがらメリー(2015年) |
子どものすきな小さい神さまがありました。いつもは森の中で、歌をうたったり笛をふいたりして、小鳥やけものと遊んでいましたが、ときどき人のすんでいる村へ出てきて、すきな子どもたちと遊ぶのでした。
けれどこの神さまは、いちどもすがたをみせたことがないので、子どもたちにはちっともわかりませんでした。
雪がどっさりふったつぎの朝、子どもたちはまっしろな野っぱらで遊んでいました。するとひとりの子どもが、
「雪の上に顔をうつそうよ。」
といいました・・・