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薄田 泣菫 作
読み手:入江 安希子(2015年)
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サー・ロバアート・ポールといへば愛蘭生れの名高い天文学者で、剣橋大学で天文学の講座を受持つてゐる先生だが、幾ら天文学者だからといつて、木星から高い生活費を受取る訳にも往かないので昼飯は精々手軽なところで済ませる事に決めてゐる。 ある時久し振に旧い友達が訪ねて来たので、天文学者は滅多に往きつけない土地一番の料理屋へ引張つて往つた・・・