新美 南吉 作 落とした一銭銅貨読み手:福田 陽子(2016年) |
雀が一銭銅貨をひろいました。
雀はうれしくてうれしくてたまりません。
ほかの雀をみると、
「ぼくおかねをもってるよ。」
といって、くわえていた一銭銅貨を砂の上においてみせてやりました。
さて、日ぐれになりました。すこしくらくなってきました。
「や、遊びすぎちゃった。これはたいへんだ。」
と雀は、一銭銅貨をくわえて、おおいそぎで水車小屋の方へとんでいきました。この雀は水車小屋ののきばにすんでいたのでありました・・・