岡本 かの子 作 現代若き女性気質集読み手:宮崎 文子(2017年) |
これは現代の若き女性気質の描写であり、諷刺であり、概観であり、逆説である。長所もあれば短所もある。読む人その心して取捨よろしきに従い給え。
○彼女はじっとして居られなくなった。何か試み度がっている。自分を試して見度がっている。自分の市場価値を。
○「恋など馬鹿らしくて出来なくなりましたわ」と言う。「けれども愛の気持ちだけは失い度くありません。」
○彼女に取ってスピーディで無いものは魅力が無い。それで退屈な時は、せめて街の自動車を眺める。
○「結婚? そうね。出来るだけ我儘をさして呉れる男か、それとも絶対的に服従させられる強い男とならばね。」 ・・・