上村 松園 作 苦楽ある人の問いに答えてー絵を作る時の作家の心境について私はこう考えています。 読み手:青木 みな子(2018年) |
一
画の作家が、画をつくることについて、ある作家は、これを苦しみだと言います、それからある作家は、楽しみだと言います。
作家が画を作ることが、果たして苦しみでしょうか、また楽しみでしょうか。
これは考えようによって、どちらも本とうだと言えましょう。私は画を作ることは、私ども作家にとって、苦しみでもあり、また楽しみでもあると言いたいと思います。
それはどうして苦しみであり、楽しみであると言えるでしょうか。これはいずれにしても、作家でないと分らない心持ちだと思います。作家であって、初めてこの真実味が分るのだと考えます・・・