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柳原 白蓮

私の思い出

読み手:三田 朱美(2018年)

私の思い出

著者:柳原 白蓮 読み手:三田 朱美 時間:13分45秒

 歴史は繰り返すと申しますが、つくづくと考えてみますと、私の生まれる少し前と現代とが、不思議なほどよく似ていると思うのです。徳川三〇〇年の幕府が倒れて多くの大名が、それぞれ国境を撤廃してめいめいが持っていた侍すなわち、軍隊をやめ、両刀をなくしたことはつまり軍備をすててしまって日本という一つの国に統一しました。これで国内の平和は完全なものとなりました。
 それからというもの、日本はまったく旭日昇天の勢いでした。その希望にみちみちた、明治は一八年に私は生まれました。
 私の父は何代となく宮廷に仕えた公卿の家で、明治維新のためにもいくらかの功労者でありましたから相当の役にもついていましたし父の妹は、官名を早蕨典侍とよばれて、明治天皇の側近に仕えていました・・・

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