村山 籌子 作 泣いてゐるお猫さん読み手:吉江 美也子(2019年) |
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ある所にちよつと、慾ばりなお猫さんがありました。ある朝、新聞を見ますと、写真屋さんの広告が出てゐました。
「写真屋さんをはじめます。今日写しにいらしつた方の中で、一番よくうつつた方のは新聞にのせて、ごほうびに一円五十銭差し上げます。」
お猫さんは鏡を見ました。そして身体中の毛をこすつてピカピカに光らしました。そして、お隣のあひるさんの所へ行きました・・・