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北大路 魯山人

てんぷらの茶漬け

読み手:左 璃寛(2020年)

てんぷらの茶漬け

著者:北大路 魯山人 読み手:左 璃寛 時間:2分33秒

 てんぷらの茶漬けは油っ濃いもので、油っ濃いものの好きな方に好かれるのは無論である。
 揚げたてのてんぷらを茶漬けにするのはもとより差支えないが、本来、てんぷらの茶漬けは古いてんぷらの利用にある。昨日の残りのてんぷらだとか、一旦、冷え切ったものを生かして食う食い方である。それにはまず火鉢に網を載せ、一旦、てんぷらを火にかける。いくぶん焦げができるくらいに火をあてる。それを熱い飯の上に載せ、塩を適宜にかけるのである。
 前にまぐろの茶漬けで話したように、濃い目の熱いお茶をかける・・・

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