ハンス・クリスチャン・アンデルセン 作 矢崎 源九郎 訳 すずの兵隊さん読み手:つかさ(2021年) |
あるところに、二十五人のすずの兵隊さんがいました。この兵隊さんたちは、みんな兄弟でした。なぜって、みんなは、一本の古いすずのさじをとかして作られていましたから。
どの兵隊さんも、鉄砲をかついで、まっすぐ前をむいていました。着ている赤と青の軍服は、たいへんきれいでした。兵隊さんたちは、一つの箱の中に寝ていたのですが、そのふたがあけられたとき、この世の中でいちばん先に耳にしたのは、「すずの兵隊さんだ」という言葉でした。
そうさけんだのは、小さな男の子で、うれしさのあまり、手をたたいていました・・・