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グリム  矢崎 源九郎

赤ずきん

読み手:羽山 芽衣(2021年)

赤ずきん

著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:羽山 芽衣 時間:12分6秒

 むかしむかし、あるところにちっちゃな、かわいい女の子がおりました。その子は、ちょっと見ただけで、どんな人でもかわいくなってしまうような子でしたが、だれよりもいちばんかわいがっていたのは、この子のおばあさんでした。おばあさんは、この子の顔を見ると、なんでもやりたくなってしまって、いったいなにをやったらいいのか、わからなくなってしまうほどでした。
 あるとき、おばあさんはこの子に、赤いビロードでかわいいずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子にとってもよくにあいましたので、それからは、もうほかのものはちっともかぶらなくなってしまいました。それで、この子は、みんなに「赤ずきんちゃん」「赤ずきんちゃん」とよばれるようになりました。
 ある日、おかあさんが赤ずきんちゃんをよんで、いいました・・・

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