ハンス・クリスチャン・アンデルセン 作 矢崎 源九郎 訳 雪の女王―七つのお話からできている物語― 読み手:山城 美奈(2021年) |
さいしょのお話
鏡と、鏡のかけらのこと
さあ、いいですか、お話をはじめますよ。このお話をおしまいまで聞けば、わたしたちは、いまよりも、もっといろいろなことを知ることになります。それは、こういうわけなのですよ。
あるところに、ひとりのわるいこびとの妖魔がいました。それは妖魔の中でも、いちばんわるいほうのひとりでした。つまり、「悪魔」です。ある日のこと、悪魔は、たいそういいごきげんになっていました・・・