竹内 浩三 作 雨読み手:齋藤 こまり(2021年) |
さいげんなく
ざんござんごと
雨がふる
まっくらな空から
ざんござんごと
おしよせてくる
ぼくは
傘もないし
お金もない
雨にまけまいとして
がちんがちんと
あるいた
お金をつかうことは
にぎやかだからすきだ
ものをたべることは
にぎやかだからすきだ
ぼくは にぎやかなことがすきだ
さいげんなく ざんござんごと
雨がふる
ぼくは 傘もないし お金もない
きものはぬれて
さぶいけれど
誰もかまってくれない
ぼくは一人で
がちんがちんとあるいた
あるいた