小川 未明 作 花とあかり読み手:西川 美映子(2022年) |
母ちょうは子ちょうにむかって、
「日が山に入りかけたら、お家へ帰ってこなければいけません。」とおしえました。
子ちょうは、あちらの花畑へとんでいきました。赤い花や青い花や、白い、いい香いのする花がたくさん咲いていました。
「これはみごとだ、うれしいな。」といって、花から花へとびまわって、おいしいみつをすっていました。そのうちに日が山へはいりかけました。けれど、子ちょうは、むちゅうになって花をとびまわっていました。
「やあ、暗くなった。」と、子ちょうはあたまをあげますと、これはまたどうしたことでしょう・・・