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新美 南吉

輪まはし

読み手:篠瀬 淑子(2022年)

輪まはし

著者:新美 南吉 読み手:篠瀬 淑子 時間:59秒

ついぢの
椿の花のした、
ここから
輪まはし
  かけてつた。

木ぎれで
ひいた横の線、
ここから
からから
  かけてつた。

帽子に
椿の花插して、
ぬくとい
垣根に
  そつてつた。

ついぢに
凭れてあつち見て、
あの子が
ひとり
  まつてゐる。

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